【具体例あり】介護職員資質向上のための目標例を完全紹介!コツや設置すべき理由10選も解説!

「介護職員としての目標を聞かれたけど、全然思いつかない…」

「今後介護職員としてやっていくにはどうすればいいの?」

知識や経験年数にかかわらず、介護職員として目標を設定することはとても難しいことです。

この記事では、介護職員として知識やスキルなどの資質向上のためにどういった目標を設定すればよいか、職歴別で解説します。

また、目標を設定すべき理由やコツ、よくある質問についても紹介します。

目標設定で悩んでいる人、目標設定したけど本当にあっているのかを知りたい人はぜひこの記事を参考にしてください。

【職歴別】介護職員資質向上のための目標を具体例付きで完全紹介!

具体的に目標設定を行う上で、あなたの介護の経験年数によって目標設定の方法が変わってきます

経験に合わせた目標設定を行うことで、

「目標が小さすぎて、達成感がない…。」

「目標を大きくしすぎて、もう無理…。」

というズレをなくすことができます。

新人職員・中堅職員・ベテラン職員にわけて具体的な目標設定方法を紹介します。

①新人職員の場合

対象は、入職(初心者)~3年未満の経験の方です。

「訪問介護での経験はあるけれど、グループホームは初めて勤務する」といった場合にも、まずは新人職員の目標設定を参考にしてみましょう。

個人目標

〇 仕事を覚える。

サービスを提供する上で、ご利用者の顔と名前を覚えましょう。

ご利用者それぞれの好きな食べ物や出身地も聞いておくと、話のネタになるのでおすすめです。

また、業務スケジュールを把握し、時間ごとの介助や業務、清掃ルールや物品の所在を確認します。

〇 基礎的な知識を身につける。

三大介助である「排泄・食事・入浴」の基礎を習得しましょう。

それぞれ独立したものではなく関連性もあるため、包括的に理解することが重要です。

基礎はもちろん、目の前のご利用者に当てはめて基礎知識を実践すると、より習得しやすくなるのでおすすめです。

〇 自己評価シートを作成・活用する。

介護業務の達成度を可視化するためには、自己評価シートを作成し活用することが重要です。

介護現場では、座って業務を学ぶというより、実践を通して業務を覚えていく機会が多くあります。

あなたが、

  • 何ができているか
  • どのような業務が苦手か
  • 改善すべきことは何か
  • まだ指導を受けていない業務は何か

をシートにまとめておくことで、毎日行う業務の目安となります。

また、指導職員にとっても自己評価シートを見ることで、良い部分やより指導が必要な部分がわかりやすいため、指導を行う時の指標となるでしょう。

取得したい資格

〇 初任者研修

介護スキルの基礎を学ぶことができます。

↓初任者研修を選ぶコツとおすすめスクールはこちら

〇 介護福祉士実務者研修

実践的な知識とスキルを学ぶことができ、介護福祉士の受験要件となっています。

中堅職員の場合

対象は、3年以上~9年以下の職員です。

ご利用者の状況や職場環境を把握しているだけでなく、他職員との連携も求められます。

個人目標

〇 ご利用者のアセスメントを深化させる。

ご利用者のADLや生活状況をアセスメントすることが重要です。

さらに中堅職員は、そのアセスメントをもとに、ご利用者にとって必要なケアを考え、そのためにはどういう準備や行動が必要か、を考えることが求められます。

〇 ご家族とのコミュニケーションを取り、ニーズを聴取する。

ご利用者だけではなく、ご家族やご本人の関係者の方との会話を通じ、ニーズを聴取する必要があります。

ご家族や関係者との関わりを踏まえ、さらにアセスメントやケア内容の立案が必要です。

〇 他職員との連携や新人職員の指導を行う。

中堅職員になると、他業種や同僚、さらに新人職員との連携が求められます。

数名のチームで委員会活動を設定したり、周りの職員を巻き込んでケアを行ったりする必要があります。

さらに、新人職員も入ってくるため、新人教育を任されることがあります。

これまで覚えてきた知識や介助方法を言葉にすることが求められるのです。

また、新人職員に自己評価シートを作成させる側になります。

説明を行うためには、なぜこの介助が必要なのか、なぜこの流れで業務が行われているのか、を自分の口で説明し、自己評価シートを指導者目線で作成していくことが求められます。

〇 自己研鑽をする。

施設内だけで知識や技術を学ぶだけではなく、月1回外部研修に参加し社内で研修講師をしたり、毎月介護系の本を1冊読み現場に活かしたり、と自発的に知識を吸収することが求められます。

自分の知識やスキルのさらなる向上をめざしましょう。

取得するべき資格

〇 介護福祉士

介護資格で唯一の国家資格であり、高度な専門知識やスキルを証明できます。

↓介護福祉士を一発合格するためのコツはこちら

〇 ケアマネージャー

ケアプランの作成・行政や他事業所との連携を行うことができます。

「現場のエキスパート」となるか「ケア方法や介護サービス」をもっと学びたいか、によって取得したい資格を検討してみましょう。

ベテラン職員の場合

対象は、10年以上の職員です。

フロア主任やリーダーだけではなく、施設長や管理者になる人もいます。

介護の現場業務だけではなく、フロア・施設全体の環境整備や職員のマネジメントも求められます。

個人目標

〇 フロアや施設のマネジメントを行う。

あなたのいるフロアや施設が円滑に運営できるよう働きかけを行う必要があります。

利用者や職員のスケジュールの見直しや、業務負担軽減のために電子記録などの導入も考慮しなければなりません。

さらにはコンプライアンスや介護保険に関する知識や理解、自施設の経営状況などを把握する場合もあります。

〇 地域や他施設と連携する。

自施設にいるだけでなく、積極的に近隣地区の情報収集や他施設とのかかわりを持つことが重要です。

閉鎖的になりやすい介護施設ですが、近隣のお祭りに参加したり、小学校の体験学習の場として活用してもらったりすることで、地域貢献するだけでなく、ご利用者や職員にも還元されます。

また、国や自治体で行っている研修には積極的に参加しましょう。

知識の習得だけではなく、周りにも同じぐらいの中堅~ベテラン職員と話せる機会ができ、とても良い刺激となるでしょう。

取得するとキャリアアップできる資格

〇 認定介護福祉士

介護福祉士の上位資格であり、介護職員や介護福祉士のマネジメントを学べます。

〇 サービス提供責任者

関係機関への連絡や調整方法を学ぶことで、利用者へより良いサービスを提供できるようになります。

【徹底解説】目標例を設置するべき理由4選!

介護現場で働くとなかなか目標設定しづらい現状があります。

営業や販売業ですと

「商品を〇〇個販売する!」

「売上達成できた!」

とわかりやすい目標設定ができます。

一方、介護業界の場合、明確な目標設定や達成度がわかりづらいため、目標はあまり意味がないのでは?目標がなくてもなんとなく働けるじゃないか?と思われがちです。

なぜ目標が必要なのかについて、目標例を設置するべき理由やそのメリットについて4選紹介します。

①モチベーションupにつながる

介護現場のお仕事は、定期の排泄や食事、清掃といった決まった仕事を淡々とこなすだけで、その日が終わってしまうことになりがちです。

ですが、同じ日常の繰り返しではなく、ご利用者の状況など少しずつ変化をしています。

目標があることで自発的に取り組むようになり、淡々としがちな日常にアンテナをはり課題を発見・解決できるようになるのです。

また目標をクリアできたことによる達成感を味わえたり、また新たな課題の発見にもつながります。

目標があることで、自分の強みや大切にしたいことを何度も考えることができ、自分のやりたい仕事、自分にしかできない仕事を見つけることができるでしょう。

②キャリアアップのための指針になる

目標をたてることで、今後具体的にどういったキャリアを築いていくかの指標となります。

目標をたてる際、自分の現状や課題を踏まえつつ、その中で自分はどういう行動ができるかを考えることができます。

長期的な目標を設定しておくことで、自分の得意や強みを活かした動きができ、また長期目標に向かって知識やスキルを積み重ねることができるのです。

③現状把握と問題点が明らかになる

目標をたてる上で、まずは自身の現状把握が重要です。

やみくもに目標をたてるのでは、モチベーションもあがらず、行動している理由も不明確で挫折しやすくなってしまいます。

自分を客観的に分析することで、現状把握と問題点が明らかになります。

現状と問題点を踏まえた上で目標設定をすると、必要な時に必要な分だけ情報収集することができ、効率よくスキルアップできるでしょう。

目標達成をサポートしやすい

明確な目標設定は働く個々人だけではなく、事業所側にもメリットがあります。

職員が明確な個人目標を設定していることで、職員への指導や教育をサポートしやすくなります。

職員からの目標を確認しておけば、目標に沿った業務の割り振りや外部研修の参加を勧めることができます。

事業所から職員へのサポートによって、事業所全体で介助・ケア方法の業務改善がなされ、ご利用者の生活に還元されます。

また目標達成度や行動で評価がしやすくなり、給与や賞与の評価対象にもなるでしょう。

職員へのサポートを拡充していくことは給与面での評価のしやすさだけではなく、離職率の低下にもつながるため、事業所は積極的に職員個々人の目標達成に向けてサポートをしていくことが重要となっていくでしょう。

【思いつかない人向け】目標設定のコツ6選を紹介!

「初めての介護業界で、今後の目標なんて思いつかない…」

「毎日の業務でいっぱいいっぱいなのに、さらに目標だなんて難しい…」

具体的な目標が思いつかない人のために、目標設定のコツを6選紹介します。

目標がなかなか定まらない人や自分のたてた目標を見直したい人、ぜひご参考ください。

①現状の課題や不満を洗い出す

まずは現状から課題や不満を洗い出しましょう。

今働いている中で、苦手な業務や不得意な業務が誰しもあります。

例えば、「認知症のAさんの対応がとても苦手」だとしましょう。

その場合、以下の目標設定ができます

・Aさんに出勤時と退勤時にあいさつをする。

・認知症に関する本を3冊読み、Aさんのケア計画を5つ考える。

・3ヶ月に1回、認知症に関する研修に参加し、研修内容を現場で伝える。

・認知症介護実践者研修を受講する。

苦手だと感じる業務をよく観察・実行することで、いつの間にか分野のエキスパートになっているなんてこともありえます。

②現実的に達成できる目標にする

目標は高ければ高いほどいい、というわけではありません。

背伸びして高く目標を設定するのではなく、小さくコツコツとできるように設定しましょう。

高すぎる設定をしてしまうと、達成が難しくなり挫折してしまい、さらには介護をすること自体イヤになってしまいます。

まずは、達成可能な小さな目標をたてることが重要です。

大きすぎたと思ったら、細かく分解し小さな目標の積み重ねを行っていきましょう。

③理想のイメージを反映させる

業務を行う中で、「同僚の子、立ち上がり介助が上手だな」「先輩が声かけするとAさんとっても落ち着いているな」と感じることがあるでしょう。

介護業務としての課題だけをみるのではなく、自分が目指す介護士の理想像をイメージしてみましょう。

周りの同僚や先輩を見て目標に反映することで、目標達成した姿や達成までのプロセスをさらにイメージしやすくなります。

④達成までの期限を設置する

いつまでに目標を達成するか、具体的な日にちを明確に決めておきましょう。

いつまでもずるずると行動してしまうと目標達成はできないし、達成までの進捗管理もしづらくなります。

期限を設定しておくことで、達成するためには明日から何をすればよいかがわかりやすくなります。

⑤行う行動を決める

目標を達成するためにどう行動するか、その行動計画をたてましょう。

その日の業務、さらには明日や一週間、一ヶ月の中で何を行えばよいかが明確になります。

さらに目標に向かった行動を決めておくことで、無駄に遠回りをしてしまう等の行動をせず、効率よく目標に向かって突き進むことができます。

⑥上司に相談する

行動目標とキャリアプランが決まったら、自分の中だけで簡潔するのではなく、上司に相談してみましょう。

例えば、面談を通じて目標とプランを話してみましょう。

上司からアドバイスを受けたり、目標達成に関する機会を提供してくれたり、さらに効率よく目標達成することができます。

人に伝える、という行為自体も、目標やプランに違和感がないか?を口に出しながら確認することができるためおすすめです。

介護職員資質向上でよくある質問3選!

個々人だけではなく、チーム、さらには国をあげて介護職員の資質向上のための取組がなされています。

資質向上に関してよくある質問を3選解説します。

キャリアパス制度とは?

介護業界は長年人手不足と離職率の髙さが課題となっています。

介護のなり手が不足し、一人あたりの業務負担が増え、負担に耐えられない職員がやめて、さらに人手不足になる、という負のスパイラルに陥っています。

そこで、国は介護事業所に対してキャリアパス制度を積極的に導入するようすすめています。

介護事業所で、介護職員の目標や評価・昇進に関する道筋が決まっていない事業所が多くあるのが現状です。

そこで、外部業界からみても評価や昇進をわかりやすくし、積極的に介護業界に入ってきてもらえるように取り組まれているのが、キャリアパス制度です。

上司に気に入られた・年功序列だけという制度では、より介護業界の人手不足が深刻になります。

評価や昇進基準やキャリアアップの道筋を明確にすることで、介護職員のモチベーションアップや必要とされる介護人材像のイメージ共有をはかった制度です。

さらに、厚生労働省が定めているキャリアパス要件を満たすことで、事業所は処遇改善加算を取得することができます。

処遇改善加算を取得している事業所は、最大ひとり当たり約3.7万円/月の加算金が追加され、職員に支給することができます。

ですので、転職を行う際にはこの処遇改善加算を取得しているか?を確認することがポイントです。

さらに、


介護職員等特定処遇改善加算:経験年数の反映や事業所内での介護職員以外にも支給可

介護職員等ベースアップ加算:新型コロナや物価高の対策として9,000円/月の賃上げ


があり、国をあげて介護人材のキャリアアップ・賃金上昇の流れができています。

②介護のチーム目標の具体例は?

介護現場は、ひとりで淡々と行うのではなく、チーム全体でケアを行っていかなければなりません

個々人の目標だけではなく、チーム全体で目標を設定することが必要です。

その理由は、

  • 職員が熱意を持って問題や課題に共感できる。
  • 課題の発見、目標の設定を「自分で決めた」と当事者意識が持てる。
  • 与えられた目標ではなく、自分たちで考えた目標として取り組むことができる。

があげられます。

チームで目標を設定する場合、理由(=何のためにその介助を行うか)が特に重要です。

目標設定理由がなければ、個々人が好き勝手に目標を変更したり違った解釈をしてしまい、チームワークが乱れる可能性があるからです。

例えば、「水分摂取量が少しずつ減ってきているBさん」を例に出してみましょう。

  1. 問題:一日の水分摂取量が1,000cc以下になる日が増えてきた。
  2. 今後:このまま放ってしまうと脱水になってしまう。
  3. 目標:1日1,000cc以上摂取できる水分スケジュールを作成、実行する。
  4. 理由:脱水によりBさんの日常が悪化しないようにする。
  5. 情報:飲める時間帯や飲み物の好み、飲む時の声かけ方法をチームで共有。
  6. 計画:チームで水分摂取スケジュールを作成する。
  7. 実行:毎日職員みんなで、Bさんの水分だけでなくBさん自身に気を配ることができる。
  8. 評価:実際にチームでやってみて摂取量は上がったか?の確認、新たな課題の聴取。

まずは当事者意識を持たせ、その上で理由を説明しておくことで、リーダーやベテラン職員がいなくても、チームが「どういう理由で何をするのか」を把握することができます。

それを毎日職員が行えることで、チームの目標が達成できるのです。

個人目標の失敗例は?

あまりにも目標が高すぎたり低すぎたりすると、モチベーションが下がってしまう可能性があります。

自分にとって最適な目標設定を行う上で、よくある個人目標の失敗例を紹介します。

目標が達成できたかどうかわかりづらい

例:毎日介護の本を読む

本を読んだ結果、何が達成できたのか評価しづらくなってしまいます。

この場合、本を読んだ上で何をするか?(まとめを書いてみんなに見てもらう、本をもとにした勉強会を開く、など)を考えておく必要があります。

自分に必要な目標ではない

例:なんとなく研修に月1回参加する。

この場合は、自身の今の能力や状況に合わせた研修を選ぶことが重要です。

基礎が不十分にもかかわらず、応用的な研修に参加してしまっては時間も無駄になってしまいます。

上司のいわれるがままの目標設定をした

例:上司に「もっと認知症のことを学べ」と言われたから、本を読む。

目標は自分の状況や環境に合わせて決めるからこそ意味があります。

よくあるのが、目標設定しないと上司に怒られるからとりあえず作った、というケースです。

怒った上司は、あなたの人生をすべてサポートしてくれるわけではありません。

じっくり立ち止まって状況や環境を見つめなおすことが適切な目標設定の第一歩なのです。

目標に優劣はない

介護現場の性質上、なかなか目標が立てづらい現状があります。

介護のお仕事をしながら目標を立てて実行していることは、すばらしいことなのです。

自分の現状を見つめ直し、数年先のキャリアを考え、行動されているかと思います。

あなたの考えた目標は、今後の介護での働き方や人生に大きな影響を与えてくれるでしょう。

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